中間流通機能の恩師
2023年06月02日
2000年にアメリカの中間流通業を視察した時、編集人が一生の恩師と慕う野澤建次先生に初めてお会いしました。野澤先生はシンクタンクに在籍されてから城西国際大学副学長を退任されるまで20年以上も目を掛けて頂き、また同大学院の客員教員として大学院生への授業機会を与えて下さり今でも感謝しています。また、中間流通事業に対する深い造詣は経営企画・人事・ロジスティクス戦略とも関係性が深く、編集人の一生の知的財産となりました。また、今盛んに企業が取り組んでいるSDG’sやDXなど(当時はまだ言葉自体が世の中に知られていなかった)と中間流通機能の関係性について、自分なりの考え方を発信できるのも野澤先生の教えがあるからこそだだと思っています。
さて、中間流通という言葉には、「川上と川下の流通活動を最適化するための製・販を繋ぐ流通システムのマネジメント機能」という野澤先生の考えがあります。ここにロジスティクスマネジメント機能とマーチャンダイジング管理機能(3PMという3PLのMD版)を加えて、流通全体をサプライチェーン管理する機能をより効果的、効率的に推進する取り組みが求められます。しかし、あるシンクタンク主催の会合で、「誰がどの機能(集荷分散、危険負担、需給調整など)を担うことが全体最適に必要なのか」というテーマで議論する機会がありましたが、予想通り各企業がこぞって総論賛成各論反対を表明することとなりました。
また、編集人が知る限りでは、当時は外資系メーカーと国内シェアナンバー企業の2社、外資系小売業以外は中間流通機能の全体最適化への積極的関与姿勢はあまりないように思えました。その観点からも、編集人が共通プラットフォームの構築「(仮称)Traffics Core Program」の企画・検討を積極的に進めている理由の1つに、中間流通機能の全ての段階で物流機能が深く関わっていることが挙げられます。