予防的通行止め
2025年06月05日
年々地球温暖化の影響なのか悪天候が多くなってきているように思います。今年3月初旬には関東地方に大雪注意報がだされ、首都高速・東名高速等で予防的通行止めが実施されて周辺一般道がが大混雑に見舞われました。また中長距離高速バス・鉄道なども一部運休便がでるなどしましたが、大事故のリスクを考えれば当然の予防対策とも言えるでしょう。編集人も約35年前に東名高速静岡由比ガ浜付近に台風で高速道路にまで波が到達している中を走行したことがあり、その強風と路面スリップにおっかなびっくりでした。また同じく静岡愛鷹PA手前で通行止めとなり約24時間車内で待機した経験があります。
この方式について賛否両論があることは承知していますが、一旦事故が起こってしまえばその復旧に時間がかかることは事実です。その前に予防的通行止めを行うことは、現代の異常気象等を考えると理に適っているとも言えるでしょう。しかし先述のように一般道が大混雑することにも繋がる訳で、運送事業者にとっては他人事ではありません。ただ「安全を確保する」ことが優先されるならば、一般消費者や顧客も少々の不便を強いられることに対してもう少し寛容になっても良いと考えています。もし自社の従業員が事故に巻き込まれてしまえば、その処理を行うために通常以上の労力を要することは容易に想像できるからです。消費者も買いだめに走るより、翌日に買い物に行けばいいだけの話です。
貨物自動車運送業界では働き方改革のベースとなる改善基準告示が定められています。このように予期せぬ渋滞等によって労働時間が基準をオーバーしてしまった場合には、速やかに国土交通省(陸運支局)にその理由を記した書類を提出することで違反の事実はあっても緊急対応として罰則に至らない制度があります。当然通常時にその制度を悪用することは犯罪行為と同じですがから行うべきでないことは明白です。例えば指定した時間に貨物が到着しないといけない場合もありますので、そこには企業ポリシーが反映されていると言えるでしょう。