交通遅延と顧客対応
2024年10月10日
パリ・オリンピックの開幕式に合わせるように、フランス高速鉄道(TGV)の3路線で線路わきのケーブルが破壊されるという事件が発生しました。主要駅であるパリ北駅を含め、夏のバカンスに向かう旅行者など約80万人の移動に影響がでたといいます。日本でもシステム障害、東海道新幹線保線車両の脱線、台風3号による航空機・船舶の欠航、東海汽船(伊豆諸島便)が航行不能になって漂流し海上保安庁の巡視船に曳航されるといった交通網の混乱が立て続けに発生しています。編集人も海外で航空機遅延によりトランジットに間に合わなかったり、別便への振り替えを何度か経験しました。
日本で生活していると、公共交通機関(一部の混雑時間帯・路線バス等は除く)の殆どが定刻通りに運行していることが当たり前です。特に鉄道事業者は秒単位のダイヤ編成を組んでいるそうで、最近は高額の安全装置(ホームドア)が首都圏の私鉄・地下鉄を中心にほぼ全ての駅に設置されたことと相まって、人身事故等による大幅な遅延はかなり少なくなった気がします。利用者にとって重要な情報は「運転再開見込み時間」「代替迂回ルートの有無」ですが、それらの情報が適宜案内されるのかによって利用者のフラストレーションの度合いが違ってくることです。もちろん、発生直後など駅務員の方が正確な情報を持ち合わせていないこともあるのですが、その時点で持ち合わせている情報とSNSの情報(正確性は担保されていません)を駆使すればある程度目的地への到着時間はかかっても大混乱に巻き込まれるのを回避することができます。
もう1点は、特に格安航空会社に多いのですが、乗客輸送効率(乗車率・機体回転率等)とサービスに対する対価設定により収益性を上げる経営努力をしているため、購入したチケットの種類により代替便振り替えなどの面では大手航空会社ほど充実していないことが殆どのようです。ビジネスに於いては当然のことなのですが、料金に見合ったサービスを前提として上手に利用したいものです。