大型トラックの速度規制緩和
2023年08月26日
国土交通省は運送2024年問題への施策の1つとして、高速道路の一部区間における大型トラック(一部中型を含む)の最高速度を現行の80km/hから100~120km/hと一般車並みへの引き上げをするようです。2003年から大型トラックでスピードリミッター装着が義務化され事故は減少しましたが、安全性・燃費等を無視した形で規制緩和しても計算上は首都圏~大阪間(平均560kmとして計算)で約1.5時間程度短縮されるに過ぎません。
編集人も、最高速度が100km/hだった時に大型トラックで首都圏~関西間の長距離運行を経験しましたが、当時は愛知県豊川市(東名高速道路の265kmポスト付近)に豊橋本線料金所(検札所;2007年廃止)が設置されており、不正通行(上下線の通行券交換など)や過積載の取り締まりをしていました。また、路線便(宅配幹線便)トラックが集中する22時以降は東名高速道路に大型トラックの長い車列ができ、車間距離はせいぜい20m程度と危険極まりない状況でした。特に、居眠り運転のトラック(車体が左右に揺れたり、急に速度が不安定になります)には他企業の車両にもドライバー同志クラクションで注意喚起したり、社則で80km/h走行するトラックを避けるため速度超過することも多く、高速道路上での悲惨な事故(編集人の友人も高速での多重衝突事故に巻き込まれて亡くなりました)をいくつも目の当たりにしています。
現在の新東名が2012年に部分開通(全面開通は2027年予定)しましたが、トラックの諸性能が良くなり走行時間を短縮しても長距離輸送における合理的積卸時間の設定・短縮(適切な運行計画書・指示書)、そして適正運賃収受がなければ2024年問題の根本的解決策にはならないように思います。