オフィス鴻

新ビジネス参入と撤退判断

2023年04月04日

新ビジネスモデルの成功は、多大な先行者利得を与えてくれます。一方で、新ビジネスモデルの成功が世に知られると次々と企業が参入してきます。特に2番手は先行者ほどのリスクや苦労が少なく、真似できるところは取り入れ、新たな付加価値(特許や商標登録)をつけて似て非なるビジネスとして成功する可能性があります。物流業界は、中間流通事業を支える重要な役割を担いますが、今後は事業規模と先行投資バランスに優れた企業の伸びしろ(EC 、人材など)が大きいと考えています。

また、飲食業界では一世を風靡した高級食パン店や唐揚げ専門店、無店舗飲食(デリバリー)、移動販売店などはコロナ禍での宅配や家食の需要増という追い風もありましたが、2年間ほどで一時のブームは急激に冷め、経営判断(リスク管理)が早い企業は素早く撤退しました。また、コンビニチェーンに代表されるフランチャイズ方式主流のビジネスモデル(大量仕入れ・販売ノルマ・経営指導料などの本部ロイヤリティ)も営業時間変更、賞味期限前商品の割引販売、人気店とのコラボ商品開発(意外と値段が高い)などに移行するなど、大きな変化を伴う過渡期に入ったようです。

最近ではGAFAでさえAI・IT技術者も含めた人員削減を行っています。もちろん、アメリカと日本の労働行政や物価・医療水準などの違いはあり単純比較はできませんが、優秀な技術者や、IT資格がなくてもPMOを経験した幹部クラスなどは再就職が容易だと聞きます。また、IT系企業といっても求められる技術レベルは千差万別であり、経営戦略(マーケティング、高度領域の生成AIエンジニアなど)を俯瞰でき、事業環境が変化する中でも新しいビジネスモデルへと挑戦していく人材と技術を適切にコントロールできる経営者・上級幹部社員の存在が、その成否と評価を大きく左右していくのでしょうね。