日本郵便の新戦略
2026年01月13日
昨年10月、事業継続に関わる大不祥事(国土交通省による自動車貨物運送事業免許取り消し処分)を起こしてその後の動向が注目さてていた日本郵便社が、ロジスティード(旧日立物流)社に議決権ベースで14.9%(トータル19.9%)出資すること、および取締役を派遣することが発表されました。かつて日本郵便は国際物流網を拡大するために2015年にオーストラリアのトールHD社を6,000億円で買収したものの、2017年にトール社の業績不振で4,000億円の減損計上を余儀なくされ、一部事業を売却したという苦い経験を有しています。
日本郵便によれば、倉庫や企業間物流の空白地帯が経営課題であったとしており、今回の出資によって総合物流企業を目指していくと発表しています。出資の背後には日本政府の意向も少なからず関係しているものと考えられますが、編集人なりに解釈すれば未だに旧郵便事業(5現業)が小泉政権下で実施された民営化以降もお役所体質から抜け出せていなかったことに最大の課題があるのだと考えています。実際に競合相手であるヤマト運輸・佐川急便と手を組んだり離れたりと、正直迷走を繰り返してきました。また料金競争から抜け出せない体質は、よく指摘されてきたことですね。
さて海外の郵便事情に目を向けると、少し古いですが総務省の「諸外国の郵便事業について」との資料では多くの郵便事業は国営企業であり、郵便物量の減少に伴いサービス水準の見直しが進められてきました。そして昨年郵便料金の値上が実施されたにもかかわらず未だ低い水準に留まっています。因みにフランスの例では、高齢者を中心に身近なサービス(プロクシ)が求められる顧客を毎日回り、信頼できる存在である郵便配達員を基本に事業戦略を再構築しました。さらに自宅を見張るサービスや、顧客の要望に応えた買い物の受託やTV等の機材の取り付け作業受託などの工夫もされています。



