オフィス鴻

羽田空港新航路

2025年07月22日

今年4月、香港からハワイに向けて飛行中のユナイテッド航空貨物便がエンジントラブルで深夜に羽田空港に緊急着陸しました。この時に使われた航路は羽田新ルートと呼ばれるもので2020年から限定的に使用されています。都心部(23区内)を低空で飛行するため、ルートにあたっている編集人の知り合い宅でも窓を開けておけないくらいの騒音があると言っていました。あくまでも運用は15~19時に限定されていますが、今回は緊急事態対応であったものと推測されます。しかし着陸直前の経路に当たるため、夜中でも通過する高度は新宿で約1,000m、品川で500mとも言われていますから驚かれた住民の方もおられたと思います。

羽田空港では空港周辺の⾵向きだけでなく、⾸都圏全体の気象状況をもとに航空機が安全に離着陸できるように決定されています。そのため航空機は、基本的に安全に離着陸するため⾵が吹く⽅向に向かって⾶⾏します。⽻⽥空港の場合、その時々の気象状況をはじめ様々な要因を考慮しながら、南⾵運⽤と北⾵運⽤の2種類のいずれかを選択して運⽤されています。実際に国際線の乗り入れが可能になってから年月が経ちましたが、国内線を含めた発着便数は1日約450便とされており年間約5千万人が同空港を利用しています。これは日本全国の空港乗降客数の約6割を占めており日本の大動脈であることが伺えます。

編集人も年数回羽田空港を利用するにあたっては比較的混雑している時間を避けていますが、それでも利用者が多い日は多くまたゲートまでの距離が長い場合も方面によってはあります。トータルとしての利便性を求めるのかルートにあたる住民の生活環境を守るのかは意見が分かれるところで、ここにアメリカ軍の飛行空域が複雑に絡み合っているため公共の利益が優先されたものと考えています。「三方良し」とはなりませんが、最終的には飛行機部品落下被害などがでないよう安全第一での使用を関係者には求めたいものですね。