航空機事故
2025年05月28日
2025年度に入って、世界各地で航空機事故が多発しています。昨年12月には韓国のチェジュ航空がバードストライクが原因(同国の発表であり真偽は不明です)胴体着陸に失敗して179名の方が無くなっています。また、1月には着陸態勢にあったアメリカン航空機とアメリカ陸軍の訓練中のヘリコプターが空中衝突を起こし乗員乗客67名が死亡すると言う大変痛ましい事故が起こりました。軍事空域と民間空域が集中している超過密エリアが事故の背景にあったとされていますが、陸軍機側の何らかのミスが原因だとも言われています。さらに、2月にはカナダトロント空港でデルタ航空機が着陸時に横転する事故(突風が原因とも言われています)が発生したものの、幸い死者は無かったようです。
航空専門家の間では「魔の11分」と呼ばれる航空機の事故が集中する時間帯があり、離陸後3分間と着陸態勢前の8分間に集中していることからつけられた言葉です。パイロットは離着陸時は自動操縦から手動操縦に切り替えるため、様々な確認業務(計器・エンジンチェック、離着陸時の管制官との交信)も頻繁に行われるため最もストレスのかかる時間帯として認識されているようです。人為的ミスが発生して事故が起きる可能性もありますが、気象条件であるダウンバーストやバードストライクなどの突然の環境変化もあると考えられています。今から40年くらい前はボーイング747型機などの中・大型機にはパイロットの他に航空機関士を含めた3名体制であったことを鑑みれば、技術の進歩にもまだ落とし穴がありそうです。
操縦技術もオート・パイロット機能(自動操縦)の搭載により離着陸まで完全に自動化することは可能だと言われています。そして安全保安要員としてのパイロットの役割を考えれば一定条件をクリアした着陸は補助的であっても良いと思われます。ただし乗客・貨物の安全を考えれば航空機出力調整に余裕がない状況ならば、トラブルに対する瞬時の判断が事故の大きさを左右するのかも知れません。