オフィス鴻

衣料品の協同輸送実験

2023年02月03日

1995年1月、阪神淡路大震災の発生を、朝の緊急速報で知りました。編集人は震災当日、新幹線で大阪出張予定でしたが、本社での情報収集と関係者への連絡(安全確認)を済ませ、緊急物資輸送要請に備えて準備を始めました。まだ携帯電話の普及率も低く、約1週間後に大阪に行きましたが、ビル屋上から見た神戸地区はまだ黒煙が立ち上り、窓ガラスの割れた乗用車が走行している状況で、緊急物資輸送用トラック(大型2台)を使い知り合いの運送事業者と一緒に支援物資を届けました。

当時、大阪船場地区~首都圏へ中少ロット衣料品共同輸送拡大のため、多くの荷主に営業をかけていて、その中には現在のUNIQLOの前身である小郡商事にも行きました。また、協同輸送の荷物を集め積載率を上げることも重要でしたが、印紙税課税対象となる配送伝票の様式変更、契約書整備も併行して実施しました。現在でも、運送業務委託契約の未締結・未更新、運行指示書や3条書面(委託先用)の不備や印紙税法違反などを見かけます。

編集人は、運送事業者の収益構造適正化に向けた改善企画・立案を少しずつ温めながら、今の演算処理能力も桁違いに高いIT技術なら簡単にできることでも、フリーズを繰り返すエクセル作業が殆どで手間がかかりました。また、IT技術の進歩で正しい要件定義ができれば、人手を要する事業(物流・介護・サービス業など)は、もっと経営高度化と収益多様化、働き方に応じた適切な処遇提供ができると考えていました。最終的に、約5年でこの衣料品の協同輸送業務は別の物流事業者に営業譲渡したのですが、失敗も含めて非常に学ぶことが多くあり、その後の企画立案に役立ちました。