運行管理者試験
2024年06月06日
今年3月(年2回実施)の運行管理者資格試験の合格者発表で、誤って受験者全員が合格者としてウェブサイトに掲載されるという初歩的なミスがありました。運行管理者資格は事業用貨物・タクシー・バスの運行事業に関して、様々な法令上の基準に則ってドライバーの健康状態や運行計画などを管理する責任があります。約35年前(たしか第2回目の試験)に編集人も受験・合格しましたが、当時の合格率は約70%、現在は約30%程度だと言われています。受験資格の1つに基礎講習(3日間)の受講があり、修了すると運行管理補助者として点呼等の業務に従事出来ます。当時は講習中に講師が重要ポイントを丁寧に解説してくれ、50点(合格ラインは60点)以上は確実に取れ、真面目に20~30時間勉強すればその他一般教養・中学レベルの数学知識と含めて比較的容易に取得できる国家資格です。
一方で、敢えて落ちる受験者の存在もあります。理由は様々ですが、まずは手当額と責任の重さ(重大事故が発生すれば検挙されることもあります)が釣り合っていないこと、次に真面目に勉強しないこと、そして事業所管理者次第では使いやすい駒のように扱われることが挙げられます。
最近の傾向では、法令改正等に伴い少しずつ難化傾向にあるようですが、大企業の事務職でもこの試験を何度も受ける(合格できない)方も少なからずいます。また、多くの物流(運送)事業者では当該資格取得を推奨、月1万円程度の手当を支給しているところが多いようです。編集人も受験資格(1年以上の実務経験、補助者選任)がある従業員には、積極的に運行管理者資格の取得支援をしていました。その理由は明確で、道路運送法・貨物(旅客)自動車運送事業法および同規則をドライバーにも正しく理解してもらい、事業所の適正運営を担保することにありました。しかし、その職責に対する先述の手当額は責任の重さに比べて少ないと感じていたため、他の資格手当(リーダー職手当等)と併せて月額3万円以上になるよう、基準内賃金(時間外勤務の割増対象に含まれる)として支給していました。