オフィス鴻

郵便事業の黒字化

2024年10月28日

今年10月から郵便料金体系が改定されました。日本郵政グループにとって業績の足枷となっている郵便事業ですが、郵便役務の安定的提供を継続するため、郵便法施行規則の改正により第一種郵便物のうち50グラム以下の定形郵便物の上限料金額を84円から110円にする内容です。その他にもレターパック等も値上げされており、働き方改革の一環として土日配達は数年前に中止されるなど様々な施策を講じてきましたが、SNSや企業間取引の電子化などの浸透によってこの先も郵便物自体が先細りしていく可能性が高いと思われます。

昭和22年に施行された郵便法および施行規則はその時代に合わせて改正されてきましたが、同法第1条には「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする」とあります。その意味するところは日本全国一律料金で手紙・封書を扱うことであり、公共の福祉増進については編集人は理解力が不足して説明できません。また同第2条では「郵便の業務は、この法律の定めるところにより、日本郵便株式会社が行う。」、同第3条では「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ適正な利潤を含むものでなければならない。」とあります。今回の値上げの根拠ですが、能率的経営を目指すなら土曜配達中止のように過疎地の配達を週3回にするなど検討できる筈で、利権構造(特定郵便局など)や従業員の雇用問題など障壁があるのかも知れません。

なお、日本郵政グループがプレスリリースしている中期経営計画「JP ビジョン2025」が見直され、新たに2024年度および2025年度の2年間を計画期間とした「JPビジョン2025+」では、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を目指し、コアビジネスの充実・強化に向けて、成長分野へのリソースシフトを強力に推進しますとあり、値上げが今後も繰り返し行われると考えています。