配車担当者の役割・責任(1)
2023年03月17日
運送事業では、主に荷主構成(元受/下請)、契約料金体系(業務内容)、配車能力が業績に直結します。また、ガバナンス機能不全は、荷主(発注担当)と運送会社(配車担当)が結託した不正行為を容易にするだけでなく、B/S(貸借対照表)に必ず矛盾点が出てくるため、税務署や金融機関の重点チェック項目となります。最近、大手通販子会社の不祥事(300億円の架空請求)があり、物流会社グループの連鎖倒産に発展したことは記憶に新しいですね。
まず、営業活動では①労務管理、②取引契約締結、③配車技術の三位一体がカギになります。つぎに、労務管理は法令に基づいた労働時間管理の下、車両稼働率と時間当たり収支を上げる安全で適正な運行計画作成を指します。また、原価計算は、競合会社や荷主発注担当の動向把握や、契約改定交渉の重要な基礎資料となります。そして、配車技術は車両仕様が異なれば受託できる業務も変わり、運転手の技量把握や指揮命令の公平性が担保されることが、従業員が納得する配車基準の適用だと経験上思っています。
また、宅配・特積み運送では、タリフ(重量・距離・地域別運賃表)で比較的均一化した営業活動ができますが、一般貨物運送では荷物形状・荷卸形態を把握した適宜配車が重要ですから、配車担当者は乗務経験(横乗りでも良い)は必ず積んでおくべきでしょう。