オフィス鴻

首都圏の第三空港

2025年11月13日

インバウンド需要が急増する中、首都圏にある羽田(HND)・成田(NRT)空港の発着枠キャパシティが今から10年後には満杯になるとの試算が国土交通省の資料で明らかになりました。政府は観光産業に力を入れていく中で体験を重視した地方へ多くの観光客が訪れるような施策を進めていますが、やはり人流の分散化にはおのずと限界があるようにも見えます。最近の編集人は殆ど成田空港は利用しなくなりましたが、元々地元住民の反対運動・成田闘争などがあった影響で大型機が発着できる滑走路に限界があります。そのため拡張工事が進む間はLCC便等の中小型機の利用が中心です。

国土交通省では2029年までの滑走路新設計画も予定通り進んでいないと認識しているそうですが、特に今後問題視されてくるのは京成線の大混雑だとも言われています。元々成田空港へのアクセスに関してはJRが用地買収と一部施設工事を進めていた経緯があり、最終的には地元の反対でとん挫した経緯があります。実際に羽田空港には京急しかなかった鉄道が新たにJR・東急線が加わることで格段に利便性が高まる見込みです。もちろん成田空港周辺の住民にとっては航空機離発着時の騒音問題、建設までの経緯などがありますので、公共の利益が優先されるべきかは議論が必要でしょう。

以前このコラムで神戸空港を取り上げましたが、その成功事例を横展開する形で関東に第三のハブ空港を建設することも検討に値するかもしれません。既存空港で言えば自衛隊と共用している茨城空港には国際線やチャーター便の受け入れ実績もあり、その他にも分散化と言う視点では静岡空港の活用や埼玉・山梨と言った地域に小規模な空港(小型旅客機等)を作ることも選択肢に含まれるように思います。しかし訪日客受け入れに関しては、オーバーツーリズムの弊害と地方経済活性化の観点とを比較した上で国土交通省傘下の観光庁が新たな観光政策を進める必要性を感じますね。