オフィス鴻

高速道路の無償化

2025年08月02日

先日あるTV番組で道の駅や高速道のSAが新しい観光資源になっていると伝えられていました。今から30年前の休憩施設は昭和から続くドライブイン・国道沿いの食堂の流れを受け継いでいましたが、最近はSAなどが観光の目的地となっていることが多いと言います。また編集人は難病治療のため、10年ほど前から自動車運転を一切しなくなりました。直接関係ありませんが、高齢者による悲惨な交通事故が後を絶たない中でせめて自分が運転することで他人に危害を与えたくないとの思いからです。医師からは運転に関する意見書(運転OK)を貰っていますが、後悔先に立たずでは意味が無いと考えています。

さて本題に戻って高速道路の無償化がなぜ進まないのか、編集人なりに利用者の視点から考察してみました。最も影響が大きいと考えられるのは日本の道路行政であり、高度経済成長期に整備された道路インフラの老朽化に対する維持費・改修費を今後どのようにして賄っていくのかと言う点です。もちろん政治的意向が大きく反映されて整備されがちな高速道や高速鉄道インフラですが、既に少子化・車保有の減少などと地方道を中心とした2車線道路の安全性確保をどのように両立させていくのかはあまり国民の耳に届いていません。直接的な言い方をすれば、需要が減少すれば償還期間(無償化までの期間)が延びるのは当然のことでしょう。

さらにETCのシステム障害で、大きな混乱が生じたことも無関係ではないと考えています。その他にも高速道路に附随する形で人手不足の長距離トラック便に代わる貨物輸送専用設備を新設する計画もあり、おそらく半永久的に無償化は実現できないことを政府は認識しているように思われます。これからの世代に年金同様負担増を先送りするするならば、ますます利用者減少・料金値上げと言った副作用が生じるかも知れません。今後道路以外の社会インフラ(上下水道・電力など)整備の進め方や財源手当ての課題なども含めて、一旦立ち止まって熟考する時間も必要な気がしますね。