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JR越谷ターミナル駅

2025年12月04日

今年9月の日本経済新聞経済面に、小さな記事ながらJR越谷ターミナル駅(埼玉県)が載っていました。編集人は同ターミナル駅以外でも東京貨物ターミナル駅や新座貨物ターミナル駅での収支改善策を指揮したことがあり、今回は今から10年ほど前の記憶を辿ることにしました。鉄道コンテナ輸送についてはCo2削減や物流業界での人手不足(ドライバー)として過去何度も注目を浴びてきましたが、天候不良(大雨など)による遅延・不通リスクが他の交通手段に比べて格段に高く、コンテナ積載個数が限られていることや往復の貨物がアンマッチであることも影響しています。

実際に運賃体系も積地~ターミナル駅~鉄道輸送~ターミナル駅~卸地と細かく定められており、一般的な長距離トラックに比べれば料金は割安とされています。一方で未だに手積・手卸業務も少なくなく、仮にパレット輸送するにしても返却や緩衝材(貨物を保護する部材)の取り扱いなど課題が多いのも事実です。またターミナル駅運用の統廃合も進められており、全国に約700kmに及ぶ貨物専用線の一部は、首都圏では武蔵野線(通勤電車)としても活用されています。取扱貨物で多いのは到着は野菜・食品類、発送では飲料類が多いとされていますが、地域性が色濃く出ています。

意外なところでは、新幹線の幹線車両を貨物鉄道ルートを使って運搬することがあります。貨物駅長(マスター)の判断次第ですが、鉄道マニアの方が駅周辺で写真を撮ったりできるのもこのような配慮があるからだとも言われています。その他には鉄道コンテナの積卸を担当する大型フォークリフトの技術は目を見張るものがあります。一般的に5t用の鉄道コンテナがメインで利用されていますが、大型トラックには1~2基、トレーラーには3基を積載することが出来ます。それらをいとも簡単そうに扱う操縦士ですが、熟練の技が光る職業とも言えそうですね。