医師と患者の信頼関係
2024年04月27日
50年ほど前に、大学病院の人間関係を描いた「白い巨塔」というTV番組があり、その後リバイバル版が放映されました。この番組では、大学病院で教授等に出世するためにはその人の個性を押し殺して、時にはライバルを蹴落とすような様々な人間関係(上長におべっかを使い反論はしない、失敗は部下の責任にするなど)を描かれ、編集人も複数の大学病院に何度も入院していますが、やはり教授回診(病棟の看護師さんなどは大名行列と言っていました)の時には、まず担当医か主治医が病状や治療方針の説明をして教授の指示を仰ぎ、研修医を含め10数名の医師が教授回診内容をメモに取っていました。
最近になって、関東の群馬大学等である医師が大量の患者を手術で死亡させるという痛ましい医療事故が発覚しました。原因は警察が捜査していますが、単なる医療事故として見過ごせない面もあったようです。編集人の場合、通常月1回の外来診察や計画入院時には病状報告、治療の選択肢、その他希望等を書いたA4用紙1枚を先に主治医に渡しておきます。また、極端に患者数が少ない疾患のため、入院時には主治医や担当医に相談するように努めています(救急入院の時はさすがに無理ですが)。そのようなことを繰り返しているうちに主治医との信頼関係を築くことが出来たようで、無駄と思われる検査はしなくなり最善治療へのトライも双方合意の上で行って頂いて非常に有難く感じています。
つまり、患者側も編集人のような余程特殊な疾患でなければ、自分の疾患についてネットなどで調べられることは沢山ありますし、不安要素や知りたいこともあるでしょう。また、大学病院は医療関係者を育成する場でもありますので、研修医や新人看護師の教育経験を積むために患者側が協力する姿勢も大切だと思います。よく謝礼(現金)を渡せば優先的に診てもらえると勘違いする方もいるそうですが、殆どの大規模病院ではその行為自体が禁じられており、公務員なら収賄罪にあたることも頭に入れておく必要がありますね。