急性期医療と慢性疾患
2024年05月30日
編集人は年間5回以上大学病院(三次救急医療機関)へ入院しますが、成人病とも呼ばれる慢性疾患(高血圧・糖尿病など)との合併症や痴ほう症と思われる患者が長期間入院しているケースを良く見かけます。多いのは、自宅で自分1人では生活できない患者(生活保護、独身、常時介護が必要など)、家族が患者の退院を希望しない(言葉に語弊はあるかも知れませんがご容赦ください)などが挙げられ、医師・看護師・医療技師も本来の業務に集中できていない原因の1つのように感じます。その結果、本来入院治療を必要とする重症患者が病床の空き待ちが発生することもしばしばあります。厚生労働省では、概ね急性期治療が終われば平均2週間程度での退院、または他医療機関(リハビリ専門など)への転院などで三次救急に携わる医療関係者の過重労働減少、重症患者の受入態勢を確保など様々な通達を出していますが、差額ベッド代金のない病室は常に満床状態が続いています。
一方、差額ベッド代金がかかる病床は回転率(短期退院)が早いようで、編集人は入院時に1日1万円程度(保険等に加入していれば、大概カバーできます)の部屋を希望しているので、幸いにも入院を待つ間に病状が悪化することなく必要な医療を受けることができています。また、日本の医療に係る社会保障制度には高額療養費制度があり、収入・障害によっては1ヶ月2~3万円程度で入院治療が受けられますから、介護施設代わりに使う患者・家族がいたとしても不思議ではありません。これから金融緩和策(国債利回りの上昇=返済利息の増加)が実行されると上昇の一途をたどる医療費(年間30兆円以上)への国民負担が更に増えることになるでしょうから、一定の入院期間制限は必要かも知れませんね。
最後に、日本の病院経営では利益を最大化するために病床を常に満床にしておく、不要不急の検査等の医療行為を行う過剰医療が常態化しないためにも、そして何より患者自身が医療には多額のお金がかかるという自覚を持って病気と向き合うことが重要だと考えます。