オフィス鴻

臓器提供へのジレンマ

2024年02月06日

臓器提供は、再生医療研究分野の急速な発展にもかかわらず、他人の臓器移植を必要とする患者の最後の希望の砦であると言われています。日本臓器提供ネットワークは臓器移植法に基づく脳死判定が26年間で1,000例ほどであると公表、日本の臓器提供は世界に比べても非常に少ない部類に入るそうです。臓器提供については、編集人は家族と話し合い脳死と判定された場合には臓器提供してほしい旨を伝え、運転免許証・健康保険証・マイナンバーカードの裏面に署名をしましたが、最終的には家族の同意が必要とのことでした。まだ心肺が機能している段階での移植(全身麻酔をするそうです)には、残された家族にも重い決断を迫ることになります。

また、脳死状態とは「深い昏睡」「瞳孔の拡大と固定」「脳幹反射の喪失」「自発呼吸の停止」「平たんな脳波」について2回診察を行い、複数の医師が不可逆性(元に戻らない状態)を判定する方法が採用されているそうです。妻へ相談したときには、「移植は結果として家族を殺すことと同じで、一生後悔の念が消えないと思う。」と言われましたが、家族の人生を考えた時に意識が戻らない状態で医療機関等で長期間延命治療を受けることは家族の負担や医療費を増やすことに繋がるため、家族の人生をも変えてしまう恐れは避けたいと考えています。

幸い今の時点では、平均生存率から逆算するとまだ2年間以上の猶予期間が与えられていると考えられ、いつその時が来ても良いように身辺整理は殆ど済ませてあります。現在は、何か些かでも誰かの役にたてば良いと考え、これまでの経験を文字にして残しておこうとブログや電子書籍の執筆を進めています。編集人には、日々少しずつ悪化していく難病とうまく付き合っていく選択肢しか残されていませんが、画期的な治療法が見つかる可能性もゼロではありません。これまでお世話になってきた医療関係者、家族、友人、親に感謝しつつ、今この世に生かされている意味を見つめなおしています。