オフィス鴻

難病と向き合う(闘病記)

2023年01月16日

厚生労働省の難病法では、「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの」と定義され、300以上の疾病が難病指定されています。編集人は、呼吸困難、体動不能、全身性振戦がたびたび発現し、♯7119経由で救急要請してER(救急外来)で診察して頂きましたが、搬送先に自己免疫介在性脳症の診療経験がある脳神経内科医は1人もおらず、詐病やストレス性疾患として扱われ続け、時には心無い言葉を発するER医師にも遭遇し、精神的にも苦しい状態が続きました。

2019(令和2)年、編集人の症状と非常によく似た症状が掲載されている鹿児島大学病院脳神経内科高嶋教授執筆の医学誌論文を妻が見つけてくれ、幸運にも高嶋教授の2時間にも及ぶ診察により「自己免疫介在性脳症(および複合的合併症)」との診断に至りました。また、いくつかの悪化を防ぐ治療選択肢があることもわかり、血液浄化治療を中心に適切な治療を受けられたことで、波はありますが精神的にも精神的にも身体的にも徐々に安定傾向にあり、大変感謝しています。

この免疫性疾患が日本の脳神経内科医に認知されたのは2016(平成28)年頃からで、編集人の場合は抗体(「抗グルタミン受容体抗体」の一種)と脳血流のアンバランスが主な原因で、国内で確認された同様症例は数えるほどだそうです。また、研究段階ですがインターロイキンや血清の炎症値も標準値の1,000倍以上という異常値を示していました。現在の大学病院の主治医、鹿児島大学病院の医師チームのご尽力で治療を開始できたことは奇跡的であり、原因不明の病気を理解してくれる人が存在せず、辛くしんどい思いをしている方々への経験談や応援メッセージの一助として受け止めていただけたら幸いです。