オフィス鴻

うまみ調味料の活用

2024年07月20日

東南アジアを旅行すると、都市近郊部や農村部の個人商店の店先にうま味調味料の小袋(5個くらい)が吊るされ売られている光景を良く見かけました。日用品・食料品等の個人商店はバングラディッシュ発祥のグラミン銀行から少額の融資を受けて開業することも多いそうで、マイクロファイナンスとも呼ばれる融資手法が使われます。主に貧困層の生活向上を目的としており、最近は融資残高も右肩上がりにあるといいます(出典;Grameen Bank Annual Report 2014「Brightens the Lives of the Poor」)。ここでは浪費を防ぐため毎週「16の誓い」を借手である農村女性達が暗唱することで、「家族計画」や「環境美化」、「規律」などの言葉で生活向上への意識付けに主眼が置かれているそうです。

さて、本題に戻りますが、うま味調味料(主成分はグルタミン酸ナトリウム)についてはパキスタン以外の世界の多くの国でその安全性と使用が認められています。一方で編集人の幼少期にはうま味調味料に対する様々な意見があり、特に多かったのは健康被害(味覚がおかしくなる)があるので口にしない方が良いといった内容でした。現在でも、そのように考える方がいることは個人的見解としては言論の自由と言う面から否定しませんが、科学的根拠を示していない場合は一種のハラスメントや嫌がらせ、事実誤認として取り扱われても致し方ないでしょう。

編集人もこのうま味調味料を多くの食品工場に納入したことがあり、実際に多くの外食産業ではサトウキビを主原料としたうま味調味料を使った料理が提供されています。特に中華料理店の厨房を観察していれば多くの店でうま味調味料が置いてあるのを確認できますし、高級和食店でも少量使うことがありますが、健康を害したという具体的根拠のある判例は見たことがありません。昆布や鰹節の代替品として上手に活用すれば食生活に幅がでる商品だと思っています。