オフィス鴻

お詫びの品選び

2024年12月15日

ビジネスをしていると、多かれ少なかれトラブルにより得意先にご迷惑をお掛けすることがあります。その場合、昭和の頃は今のようにSNSが発達しておらず、特に虎屋(羊羹)や有名百貨店の紙袋に入れた菓子類が重宝されていました。もちろん、トラブルが起こらないことがベストではありますが、発覚後の初動対応の良し悪しでその後の取引関係に影響がでることは現在でも変わっていないようです。とは言え、相手方にお詫びへの謝罪をするために往訪時に手土産を持参することが殆どですが、渡すタイミングを間違えれば逆効果になってしまうケースもあります。万が一謝罪する席で最も大切なことは、誠心誠意を込めた真摯な態度と、更なる失態を重ねないことに尽きると考えています。

最近は「手土産十選」と言ったノウハウ本も出版されており、その多くがシンプルさと品のある菓子類を紹介しています。例えば、ホテルブランドのもの、手に入れずらいもの、個包装で社内で配り易いもの、比較的日持ちのするものなどが挙げられます。中には「切腹最中」といったいかにもお詫びと言った商品もありました。ただし、あくまでも謝罪時の手土産であり必ずしも今後の取引継続を約束される訳ではありません。大切なのは、正確な状況報告・原因究明・再発防止の徹底であり、心から謝罪することに尽きます。最悪のケースは初動対応の遅さ、調査中を理由に繰り返される時間の引き延ばし、そして他責にすり替える行為です。ビジネスが契約と信頼関係の上に成立している以上、トラブル解決の目途を正しく相手に伝えることが最大の謝罪だと編集人は考えています。

日常生活においても他人に迷惑をかけてしまったならば当然に謝罪するべきことと同じで、「親しき仲にも礼儀あり」の諺がそのまま当てはまります。日本の核家族化と個人生活の優先が近隣との付き合いを疎遠にする一因になったとも言われますが、余程の理由がない限りは地域で暮らす(ビジネスも同じです)上ではマナーを守りたいものです。