アメリカでの最低賃金上昇
2024年07月05日
アメリカでは、各州ごとに最低賃金が定められており、西海岸(カリフォルニア州)では時給$16(約2.4千円)に達しているそうです。仮に$1=¥100としても時給2千円ですから、日本の平均最低賃金が1千円程度であることを鑑みれば、為替や経済、金利情勢、社会保障制度などの政策の違いはあるにせよ比較対象として高額であることは間違いなさそうですね。もちろん、中西部の州ではまだこの水準には達していないそうですが、特にニューヨーク近郊・西海岸の上昇は大幅な伸びを示しているそうです。
特にファーストフード業界では$20に引き上げられ、強制的にサービスチャージ(10~20%)を加算して請求飲食店も現れました。その結果顧客からそっぽを向かれ、従業員は労働時間の短縮で収入減が見込まれるうえに、閉店に追い込まれるケースも出始めているそうです。単純比較はできませんが、職場(労働機会)や労働時間が減ればいずれ従業員の職場や収入は物価上昇に堪えられない水準まで減少していく可能性も有識者等から指摘されています。また、強制的にサービスチャージが適用されるのならば、これまで従業員の収入に相応の割合を占めていたチップ廃止の議論も強まるでしょう。
もう1点、最近の世界的なキャッシュレス傾向から、編集人の近所にある中価格帯チェーン店でもこの4月から完全キャッシュレス化が始まり、6月からは一部私鉄系バス事業者の交通系カード割引きが無くなりました。日本でのキャッシュレス決済導入は40%程度で中長期的には世界水準の80%まで引き上げられる政策のようですが、決済手数料は事業者負担(事業形態や契約内容にもよる)で概ねクレジットカードで3%以上、QRコード決済で2%程度と言われており、食券型現金決済レジでも最近の物価上昇による価格改定を頻繁に行うなど資金繰りも含めて事業者の負担は増加します。つまり、多段階での事業者介在が経費と言う名目で中抜きしている構図になりますね。