オフィス鴻

オリンピック選手村の食事

2024年09月05日

世界の様々な国・地域が参加したパリ・オリンピックでは、1つ目はセーヌ川の汚染問題、2つ目は審判の判定に対する考え方、3つ目は大会運営での食事事情が問題視されました。1つ目と2つ目はお国柄が関連していることもありますのでこのコラムではコメントしないことにします。スポーツ祭典の最上位に位置するオリンピックですから選手たちが最大のパフォーマンスを出すために食事が重要な要素の1つであることが想像できます。また、さまざまな信仰上の理由(ハラール食など)を持つ選手もいますので、その対応だけでも大変なことは容易に理解できます。東京オリンピックでは関係者に非常に好評だったと言われていますから、郷に入れば郷に従うことなのかとも思われます。

少なくとも1日4万人とされる利用者に対して提供される料理の絶対量が不足していたそうで、Co2排出量・動物福祉・水道使用量などへの配慮が大会運営委員会側から示されたためだそうです。大会組織委員会は改善を進めると約束したそうですが、資金が豊富な国では選手村の食堂を利用しないでレストランを貸し切った国もあるようです。ただし、万が一ドーピング検査で陽性となるリスク(メダル・記録等のはく奪)を完全に避けることが出来ないなどのデメリットもあります。

今回の開催地が美食の都フランスであり、多様性・持続可能な自国産食材を使った健康に配慮した選手村食堂への関係者の期待が高かったことの反動の影響が多かったような気がします。現在、東京の『ミシュランガイド』の星の数は、美食都市として知られるフランスのパリやアメリカ合衆国のニューヨークを凌いでいますが、少なくとも一般人よりも選手が必要として摂取するたんぱく質を多く含む食材(卵・肉など)の提供が滞っていたとの報道を見れば、多くのIOC利権(放映権料の高騰)が問題になる中、食事は選手ファーストにしても良いのではないでしょうか。