オフィス鴻

キッチンカー営業

2025年05月18日

コロナ禍以降、各所でキッチンカーによる販売が各地で行われています。全国では約3,000台のキッチンカーが保健所から毎年営業許可を取得していると言われますが、オフィス街や集合住宅・タワーマンションの近くで営業することが多いようです。何よりも少ない資金で開業できることは大きな魅力ですが、出店場所を確保すること・リピート客を引き付けること・競合飲食店にはない魅了があることなどが成功の要因とされています。大抵のキッチンカーは正直同じような商品(カレー・ハンバーガーなど)であって、特段リピートするほどの魅力に乏しく、また価格も500~1,000円程度と決して安くはありません。

その理由は、経費構造にあると言われています。飲食業界の平均的なBEP(損益分岐点)は95%を超えており、天候次第では客足が遠のくことのリスクもあります。特に営業スペース(駐車場・広場等)は売り上げに直結するため、多くの同業者がしのぎを削っている状態です。そのビジネスモデルに、車両レンタル業者や場所仲介会社なども誕生して更に競争が厳しさを増しています。実際に数ヶ月で廃業する方も多いようですが、編集人の知人は今から15年ほど前に故郷(西日本)で日毎に営業場所を変えてビジネスを始めました。風の便りに当時修行していた飲食店オーナーに現状を聞いたところ、物珍しさもあってそこそこ繁盛しているようだとのことでしたが現在営業しているかは知らないそうです。

結局は単なる低資本でできる飲食サービスに夢をみている時期に、どのような行動や考え方をしているのかが重要な成功と失敗の分岐点になるように思われます。どの業界も同じですが、まずはきちんと経理・会計の勉強から始め、マーケティングにより需要を予測しながら試行錯誤すること、そしてネットワークを拡げてビジネスチャンスを待つことに尽きるようです。要は身の丈に合った経営(収入)が大切であり、最初から成功ストーリーを夢見ているならリスクが高いと言うことだと思います。