シェ・松尾の閉店
2025年03月29日
政界人・財界人・芸能人らが足繫く通っていた高級フレンチ料理店である「シェ・松尾松涛」が建物の老朽化を理由に閉店しました。隠れ家的なレストランの草分けであり、多くの有名シェフを輩出したことでも知られている同店ですが、事業譲渡先の経営陣は高額の維持費を必要とするこのタイプのレストラン形態では収益化は難しいと判断したようです。最近はこの手の個性的なレストランが続々と閉店するようになり、特別な日を特別な店でお祝いする場所も徐々に減ってきています。また、安価で料理を提供するチェーン店の質が上がってきたことも関係しているように思います。
編集人の贔屓にしている飲食店でもシェ・松尾で修業され、独立されたオーナーシェフが何人もいらっしゃいます。どの飲食店もそれぞれ個性的であり、楽しい時間と美味しい料理を提供してくれます。一方で飲食店全般に言えることですが、どうしてもその飲食店で修業したい方が長時間労働になることもしばしばあるそうです。現在の労働基準法では、管理職を除けば飲食業での修行そのものが法定労働時間内で行われることは難しく、やる気のある方にとって学びの場が少なくなることはフレンチに限らず和食文化の継承にも影響を与えています。しかし、これも時代の流れと考えれば、過重労働は制限されるべきではあるのですが、受験勉強には時間制限がないことを考えると理不尽とまではいわないものの、他に方法がないのかと思われます。
大正末期に建てられた木造洋館を改装した日本の邸宅レストランの草分け的存在であっても、資金繰り悪化のため平成22年に事業譲渡した時点で既にその役割の多くが終わったと考えることもできます。編集人はどちらかと言えばゆったりまったりと時間を過ごせる飲食店が好きですが、最近は寿司も回転寿司系かおまかせ高級店が主流で、昭和時代を感じさせるカウンターで食事ができる寿司店もどんどん少なくなっています。ある意味で、価値観多様化の時代に合わせた経営が大切だということでしょう。