トリュフの人工栽培
2024年07月05日
世界の三大キノコといえば、高価なマツタケ、トリュフ、ポルチーニが知られていますが、岐阜県森林研究所のHPで世界三大珍味の一つで「黒いダイヤ(黒トリュフ)」の人工発生に成功したとありました。海外ではフランス南西部産が有名で石灰岩地帯のアルカリ土壌にブナ科樹木などの根に菌糸を共生させて菌根を作る外生菌根菌で感染苗木を使ったプランテーションにより栽培され、ヨーロッパや中国から年間17t(約7億円)ほどが輸入されいます。日本国内でもトリュフは見つかっていて農林水産技術会議の委託プロジェクト研究「高級菌根性きのこ栽培技術の開発」で、(国立研)森林総合研究所などと共同で人工栽培技術の開発に向けた研究が始められています。
特に白トリュフは10~11月頃がピークで黒トリュフの3倍近い価格ですが、イタリアピアモンテさんが最高級とされ、たまごやバターとの相性が非常に良く料理に使用されています。また夏トリュフ(サマートリュフ)は比較的手頃な価格で楽しめますので、編集人も年数回は存分にパスタ等にスライスして味わっています。似たきのこ類に日本では「ままだんご(クリタケ)」がありますが、福島・茨城県北部の一部地域で土の斜面に生息しています。手で掘り起こすため収穫量が非常に少なく殆ど市場に流通することはありませんが、油成分との相性が良く中華料理の食材であるフクロダケを少し小さくしたような形をしていて、編集人の大好物なのですが10年以上食する機会はありません。なお、嫌いな食材の常連であるシイタケの中でも、原木栽培のモノであれば特有の香り成分であるレンモオニンがほとんど含まれていません。
その他、岡山県西栗倉地区では「森の鰻」と呼ばれるウナギ人工完全養殖に成功したそうですが商業採算性には程遠いようです。いずれも森林の整備が欠かせないことは同じで、川から海へと流れ込む様々な成分で豊富な海産物が育つ日本の国土には、食材に無限の可能性があるように思います。