ミステリーショッパー
2025年06月22日
少し他同業者とは異なる事業展開をしているハンバーガーチェーンの「バーガーキング(BKHD社)」が急激な店舗拡大(3月時点で約260店舗)で運営現場に目が届かないとして接客・メニュー・価格などを覆面調査するミステリー・ショッパー750名を募集しました。ミステリー・ショッパー自体は珍しい取り組みではありませんが、多くの企業では監査等と称して事業所を巡回することが行われています。しかし、本社の巡回では現場が普段とは異なるオペレーション(正式に標準化されたもの)を隠したりすることが多く、実態とは違う調査報告が上がってくることも少なくありません。
今回の取り組みでは希望する3店舗(居住地・勤務先を考慮してのことでしょう)の調査報告となったようですが、その他に公式スパイグッズ(Tシャツ・ステッカー)、割引クーポン券などが配布されるなど、新たなリピーター獲得のための営業促進活動も含まれているようです。その中でも特徴的なのは特設Webサイトからスパイ風の写真で応募するこ方法を取り入れていることで、遊び心の中にもきちんとビジネス戦略が描かれていることです。似たような企業にサイバー・エージェント社の採用試験があります。これはミステリー・ショッパーとは異なりますが代表の藤田晋氏が麻雀好きなこともあり、その思考過程を見て採用の参考にするそうです。両社に共通しているのはそれぞれの企業文化を目に見える形で表現していることでしょう。これこそが一種の企業理念・ポリシーに繋がる発信であり、企業力を高める手法だと考えます。
その他の企業でもミステリー・ショッパーを取り入れているところはありますが、その最たるものがミシュラン・グルメガイドとも言われています。この覆面調査員は1年以上にも及ぶ海外での研修を経て、何度もの試験に合格した方だけがなれるそうです。しかし最近は日本各地版のガイドが新たに登場していることや、一部の有名店では予約すら取れない店(すきやばし次郎、寿司さいとうなど)があり構成も変化しているようです。