オフィス鴻

代替食品の開発・普及

2024年07月19日

多くの人が世界中を往来するようになりました。最近は、飲食店でも「アレルギーをお持ちですか?他の食材と交換しますか?」と確認するところが増えています。その背景には、様々なアレルギー(小麦・たまご・蕎麦・ミルクなど)が確認され、場合によってはアナフィラキーショックによる呼吸不全を起こす場合があるからです。ただし、飲食店側でも全ての食材のうち、特に加工食品や調味料の類では外装にアレルゲン物質を表示していても似たような成分が知らずに含まれている場合があります。また、宗教上の理由(イスラム教のハラール認証など)やビーガン(vegan;完全菜食主義者)など植物性食品を中心に食している方もいます。

代替食品は、味・見た目・食感などを似せた別原材料などで作る加工食品のことを指しますが、身近な例では培養肉、マーガリン(バターの代用品)、かにかま(魚のすり身)などが有名ですが、価格の安さに加えて殆ど見分けがつかない食品も多くなりました。かにかまはヨーロッパでは非常に人気がある商品ですし、日本のコンビニでは本物と見分けがつかないようなカニの爪も販売されています。最近の円安傾向や世界的な異常気象、そして何よりも人口が増え続けることで食料の奪い合いが既に起き始めています。特に食肉は多くの飼料を必要とするため、植物性タンパク質を主原料とした代替肉や人口加工肉の研究が進められています。その他にも、魚・卵・チーズ・昆虫肉などの研究も進められています。

数年前のTV報道では、さいころ状のマグロの味を再現した代替食品を目隠しをした状態でモニターが食したところ、まだ食感・風味・形状などの面で課題があるとされていた記憶がありますが、最近はものすごいスピードで研究開発が進められています。食料の多くを海外からの輸入に頼っている日本では、食糧安保の観点だけでなく、健康(低カロリー)や生活習慣病のリスクを軽減できるなど、安全性の担保を条件に代替食品の普及に弾みがつくように思います。