新たな宿泊スタイル
2025年11月07日
日本の伝統的な旅館が仲居さんなどの従業員不足対策と宿泊者のニーズを鑑み、食事なしプランを販売することが一般化してきました。旅館と言えば概ね2時間枠程度で食事の時間が定められていることが多く、また料理の選択肢は余りありません。もちろんその旅館でしか提供されない特別な食材等を使った食事も旅行の醍醐味ですが、どうしても現地での行動に時間的制約が出てしまうことは否めません。編集人も妻と九州地方に旅行に行った際その旅館での特別な食事を楽しみたかったのですが、フライト遅延等により夕食時間ギリギリになり旅館から電話連絡を貰ったことを思い出します。
そのような食事ニーズに対応するため、一部の旅館では宿泊者の予定に合わせた食事時間帯を選択できる定食方式を採用したと言う記事が編集人の目に留まりました。この旅館では地元の食材をメインにしながらも数種類の定食を準備することで、厨房業務を集中させない工夫と料理の差別化、さらに提供スピードアップを図ることに成功したそうです。ホールスタッフも食事提供時間に幅があることで様々な部署から応援に駆け付けることができると想定できますし、勤務シフトも柔軟に組むことが可能です。限られた経営資源を最大限活用しながらも、顧客ニーズもしっかりと捉えているのです。
編集人が旅行する際には、どうしても夕食に時間的制約があると敢えて昼食を抜くか軽い食事で済ませることが多くあります。その理由は夕食提供が概ね18~19時スタートと決められているケースが多いからに他なりません。特に初日は移動手段によって観光を楽しむ時間が制限されがちですから、宿泊施設従業員への業務負担軽減を差し引いてもこの方式を喜ぶ旅行者も多いと感じています。もう1つこの旅館が考えていることに「自由気ままな旅を楽しんで頂きたい」というおもてなしの気持ちが込められていることで、日本の商いの基本である三方良しの精神を具現化した好事例だと思えますね。



