昭和からの国民食
2025年11月06日
以前知人のカレー店についてこのコラムで触れましたが、編集人が昭和時代に国民食と思っていた料理には、家庭用カレー、オムライス、ラーメン、コロッケ、焼き肉などが挙げられます。しかし最近の物価高騰・光熱費高騰に高年齢化・人材確保難などが重なり、昔ながらの飲食店減少が帝国データバンクの調査で明らかになっています。その背景にあるもう1つの理由は味の差別化・再現化・リピート率にあると編集人は考えています。もちろんそれ以外の立地・競合関係・大手チェーン店・家賃なども関係しているのですが、根底にある飲食業のイメージも関係しているようにも思われます。
特にコロナ禍で飲食事業者には1日4~6万円程の助成金が支給されたことも、本来ならば倒産していた事業者がゾンビ企業化していた可能性も否定できません。この助成金施策も様々な課題が指摘されていましたが、結局のところは時代の変遷についていけなかった飲食事業者が現在倒産していると言うのが大方のところだと編集人は考えています。実際に編集人の居宅近隣の駅前でも、1~2年程度で飲食店が入れ替わっているのを目にするようになりました。一見飲食業は簡単なように見えるのですが、先述の差別化・リピート率向上(新規客と常連客のバランス)がないと継続性には乏しいです。
しかし見方を変えれば、一旦軌道に乗せてしまうことと時代の変化を上手に取り入れたならば、飲食業の魅力が増すことになります。例えば居酒屋は日本の外食文化の中心にあるものですし、過当競争気味のラーメン店ならば外国人価格にしなくてもサブメニューが充実していれば家族団欒の空間になる訳です。築地では1杯1万円の海鮮丼が訪日客に売れていると言いますが、日本ブームが一段落したらリピート客は新たな観光資源を求めることになると推測しています。その段階で意外と喜ばれるのは、家族で楽しめる街中華・食堂や昭和レトロな飲食メニュー・庶民料理なのかも知れませんね。



