昭和風のカフェ経営
2024年05月25日
一般的な飲食業界での出店基準として商圏分析をする際には、最寄り駅の乗降客数、昼間・夜間人口、競合店・価格帯、ニーズ(業態・メニュー)把握などを行いますが、最近の飲食業態の中では女性客・1人客をターゲットとした店が増えています。3年で50%が閉店すると言われるほど熾烈な飲食業界生存競争の中で、他社が容易に真似できない正しい差別化戦略と適切適度な努力・観察眼により流行を追わずとも長く経営している店舗が存在しています。コロナ禍でダメージを受けた飲食店の中には社会保険料・税金の滞納や、協力金や特別融資等がありながらも闇金(法定利息の数倍の金利)に借金するような経営状況のところもあり、遅かれ早かれ倒産や自己破産に追い込まれることは想像に難くないところでしょう。
一方で、新宿歌舞伎町に代表される繁華街でのホストクラブの掛け売り営業手法や客引きと悪質店によるボッタくり行為に対して行政による指導が行われたりと、自浄作用が働かない飲食サービス業態が犯罪の温床になったりすることを考えれば、珈琲をメインに営業する喫茶店には安心感があり、特に個人経営の店ではそれぞれの個性が居心地の良い雰囲気と時間・空間を与えてくれます。最近はZ世代が昭和レトロ感を求めて純喫茶を訪れることが増えているそうで、駅から多少離れていてもカウンターで1人客(特に女性)がくつろげる店も人気があるそうです。編集人も喫茶店好きの1人ですが、映え投稿目的の撮影をする方がいるところには足を運ばないようにしており、逆にチェーン店(個人的にタリーズファンです)を利用することが多くなりました。
あくまでも編集人の勝手な視点に過ぎませんが、接客の極意はクオリティの高いサービス提供(味・品質・清潔感・居心地の良さ・雰囲気)にあると考えており、可能な範囲での特別感が味わえるカウンターでくつろげる店は、あえて店員側から話しかけずに静かに過ごす常連客へのもてなしなどロイヤルカスタマーと店側との絶妙な距離感の上に信頼関係に似た個人店ならではの強みがあるのだと思います。