オフィス鴻

朝食ビュッフェの課題

2023年12月06日

沖縄の琉球放送の取材記事に、観光地でのホテルステイで提供される「朝食ビュッフェ」についての課題が取り上げられていました。簡単に要約すると、あるホテルでは朝食ビュッフェで余った料理を、500円のワンコインランチ(弁当)として食品ロス削減アプリ「TABETE」を通して限定的ですが一般向けに販売するとの内容です。これまでは、ホテル従業員向けに弁当として販売していたそうですが、SDG’s12に掲げられた「つくる責任・使う責任」の観点から消費者とwin-winの関係を築きながら食品ロスを更に減らす取り組みへの挑戦だとのことです。

プロの料理人が3,000円相当の価格で提供する朝食であり、目の前での料理人による演出や豪華さを前面に出し、大皿に盛られた料理の中から好きなものを好きなだけ選んで食べるというビュッフェ方式ですが、利用者へのサービスレベルとしてラストオーダーまで料理を切らすことは出来ません。そこで、どうしても料理が残ることになり、食品ロス削減との間には矛盾が生じることになります。もちろん、利用客の状況を確認しながら細かい調整を行っていることは当然なのでしょうが、常に社員用の販売で済む程度の残量になるとは限らず廃棄に至る食品ロス問題として課題にはならないでしょう。

編集人は、この取り組みには大いに賛同しますが1点だけ懸念事項があります。それは販売に廻す料理の安全性担保についてのコメントが、この取材記事の中には一切なかったことです。ある意味不特定多数の人が利用する訳ですから、不届き者がいないとも限りません。中には、いくつもの取り皿に食べきれないと思うくらい目一杯料理を載せてテーブルに戻る、取り分け用のシルバー(トング・スプーン等)を他の料理に使用する、料理(パン等)に直接手で触れる、一度とった料理を皿から戻したりするなどの行為を何度も見かけました。食文化の違いと言えばそれまでのことなのですが、他の利用客へ不快感を抱かせないような工夫にもぜひ挑戦して頂きたいと思います。