物価高と値上浸透
2026年01月03日
日本経済新聞の記事によれば、サービス業に於ける価格転嫁する企業数が20%程度であると伝えていました。近年の円安基調による物価高に加えて、労働集約型産業では人件費上昇等による経営への影響が強い飲食業・小売業ではこの傾向が更に顕著となっています。また価格転嫁は顧客離れを伴うリスクが高いものの、特に飲食業での値上を検討している企業は全体の60%に達しているようです。つまり人件費上昇に伴う価格転嫁は、消費者には一般生活物価上昇への実感はあるものの受け入れづらい環境にあると言います。そのため廃業する飲食事業者も増加傾向にあります。
しかし同じサービス産業でも航空産業では燃料サーチャージに加えて比較的価格設定の自由度が高いことが値上げ浸透に寄与しており、一部の特徴的サービス・メニューを有したり訪日客中心の飲食店では比較的値上げを進めているとも言われます。その他のサービス業界の中でもカルチャー教育産業・チケット取次産業などでは、生活費削減の影響を大きく受けることから値上げには消極的だとされています。最終的に経営継続には来客数・顧客単価・利益率など様々な要素が絡み合って決定されるものですが、生活に不可欠なサービス以外では価格転嫁が進みづらい状態だと推測しています。
なお一昨年来異常ともいえる高値が続いている米価は若干下がってきているとされているものの、小売店では2025年度産の新米より2024年度産の古米から売れているそうです。実際に2025年度産新米には5kgで7,000円を超えるものもあり、米穀卸売店やJA等が抱える新米の販売は低調です。問題は米農家の実質所得向上に結び付いていないと言う指摘以外にも、小売業があまりにも価格が上昇した新米在庫を抱えないようになったという現実でしょう。もし新米が売り切れなければ小売業者は大きな損切りをせざるを得ないでしょうから、一種のチキンレースに似た様相ですね。



