特定外来生物の生命
2025年08月18日
特定外来生物とは環境省のHPによれば、外来生物法に基づき外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。また輸入、放出、飼養等、譲渡等の禁止といった厳しい規制があり、生きている個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれます。そして必要に応じて特定外来生物による被害がすでに生じている場合又は生じるおそれがある場合で必要であると判断された場合は、特定外来生物の防除を行う制度を定められています。国や都道府県は防除の公示を行うことで実施でき、市町村や民間事業者は主務大臣の確認・認定を受けることで実施できるます。
その中で関東エリアに於いては千葉県のある施設が閉鎖された後に脱走した台湾原産の「キョン」というシカ科の動物が野生化し、大繁殖することで自然の生態系を壊し地域住民への被害も懸念されることから駆除は猟師が解体所を開設して行い、都内のレストランなど向けに食肉加工して販売する取り組みが始められたそうです。またキョンは台湾では高級食材として珍重されていることから飲食店でもソテーやカツレツとして提供できること、ジビエブームによって人間との共存関係を築くことも可能だとされています。ただ日本全国で猟師の高齢化が進み、報奨金(クマ駆除でも話題になりました)の低さなどまだまだハードルは高いようです。
キョンの他にも哺乳類25種類、鳥類7種類、爬虫類22種類、魚類26種類などが特定外来生物に指定されており、今後新たな駆除・活用の仕組みが拡がる可能性を秘めています。先述のクマの駆除でSNS等で批判する方がおられましたが、もしご自身の実生活に支障がでるとすれば本当にかわいそうというだけで判断できるのか、自分に被害が及んでも自己責任をとれるのかといった面で疑問に思う部分もあります。つまり仮に自宅周辺に野生動物が突然現れ人間に危害を及ぼす可能性がある時に、果たしてご自身の身はどのように守れるのかという視点では数十年後に評価されるものだと感じています。