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発酵調味料(味噌)

2025年08月16日

日本には数多くの発酵調味料があり、その背景には温暖で湿度の高い気候風土を活かした日本特有の食文化が関係していると言われています。以下一部農林水産省のHPからの抜粋になりますが、味噌・醤油・酢・みりん・酒、そしてだしを取るのに欠かせない日本固有の鰹節(枯れ節)はすべて生物の働きによってつくられる発酵食品に分類されています。その特徴は「麹(こうじ)」を使っている点で、麹菌を米・麦・大豆などに加えて培養させることで個性的な味わいを醸し出しています。そして麹菌は分解力の強い酵素を大量に作り出すため、たんぱく質をアミノ酸に分解する酵素やでんぷんを糖に分解する酵素などが存在しています。

たくさんの酵素が生成され複雑に発酵するため、アミノ酸などのうま味物質や甘い糖もできてきます。麹を使うことで味に奥行きが出ますから、和食には欠かせない調味料とも言えるでしょう。例えば味噌であれば京都の白みそ、長野の信州みそなど日本全国にご当地みそがありますし、石川県の能登地方で生産されるいしるという魚醬は魚介類の内臓・身を塩漬け熟成した醤油のようなものでタイのナンプラーと同じ系統のものです。身近なところでは納豆・ぬか漬け・ヨーグルトなども発酵食品の1つです。その他にも味噌を使った料理には牡蠣の土手焼きやしょっつる鍋、味噌煮込みうどんなども有名です。

編集人の子供の頃は味噌専門店(普通の商店でした)が近所の商店街にあり、各地の味噌を木樽に入れて量り売りしていた記憶があります。店員さんが器用にしゃもじのような道具で適量を掬い取り、その後に味噌樽に戻す風景は一種の芸術の様でもありました。最近は健康志向の高まりから塩分を控えめにした味噌が多く売られていますが、もともとは保存期間を延ばすために多くの塩を使っていたといいます。そのせいかは不明ですが最近は西洋料理の隠し味として味噌が使われることも多く、日本酒や醤油とならんで世界での認知度が高まっているようにも感じます。