オフィス鴻

缶コーヒーの需要減少

2025年11月10日

全日本コーヒー協会の統計によれば、2024年度の国内消費量は約40万トンで平成28年(2016年)の約47万トンに比べて下降トレンドが見て取れます。その理由として挙げられているのはコーヒー豆の高騰で、2023年比で約2倍となっています。またコーヒーの楽しみ方が缶コーヒーからペットボトル・コンビニコーヒーなどへと多様化していることが背景にあり、その他にも気候変動による温暖化・酷暑化で紙パックなどのアイスコーヒーにシフトしていることもあるでしょう。実際に自動販売機で缶コーヒーを見る機会が減ってきていると感じる読者も多いと思われます。

編集人は元々考え事をしたいと思った時には、ちょくちょく喫茶店でコーヒーを嗜んでいました。近年はスターバックス社やドトール社、タリーズ社などのチェーン店が全盛ですが、コーヒー豆自体の原価は概ね1割程度とされており、そこに施設費・人件費等を加えれば1杯400~500円は妥当な価格帯とも言えそうです。さらに自動販売機にはこれらのチェーン店が供給している缶コーヒーも増えており、容量も多くなっています。味自体も無糖・微糖など健康に配慮した選択肢が増えているほか、自動販売機・コンビニ・チェーン店・専門店といったシチュエーションも多彩です。

因みに缶コーヒーだけに限れば、消費量は2013年比で40%の減少しており値上げも18%とのデータが日本経済新聞に掲載されています。裏を返せば缶コーヒー市場を取り巻く環境は厳しさを増しているものの、ペットボトル等に見劣りしない魅力を打ち出すことで復権の可能性はあるだろうと編集人は考えています。具体的には専門店で扱われることが多い水出しコーヒーは苦みが抑制されてマイルドな味わいですし、缶の飲み口を変えることで印象を変えることも可能です。また自動販売機の設置台数減少は頭の痛い問題ですが、新たな共同販路を確保するなど工夫の余地はありそうですね。