食器と料理
2024年07月17日
日本経済新聞の日曜版に「器の力 フレンチの進化促す」という、30~40歳代のフレンチシェフが器に拘って料理を提供している記事が掲載されていました。画像はこのブログでは掲載できませんが、編集人にはまるで和食懐石料理を思わせるような料理や、SDG’sを体現したような厨房にある残り物(ムール貝の殻など)を使った形状も色合いも独特な唯一無二の食器を合わせて提供している料理人が増えているとありました。元々、フランスでは日本食が比較的早くから受け入れられており、最近の新フレンチ料理(ヌーベル・キュイジング)でもソースに使うバターを抑えて軽めになり、より素材を重視するようになってきたと感じています。
編集人は、日本食(懐石)の良さの中に料理・盛り付けと器で日本の季節や風景を表現する文化は他国にはないものだと思っています。最近は日本国内にも豊かな自然の中に少数の客室、宿泊客数(大抵2名)、年齢制限(他のゲストに対する心遣い)で、料理人がこだわりぬいた料理を提供するスタイルの宿泊施設(1人1泊2食で数万円台)も増えてきました。先日、編集人と妻の2名で旅行シーズンに入る前に長野県駒ケ根市にある季澄香(ときすみか)を再訪してきました。総料理長の中路氏は系列ホテルの料飲部門を総括しておられ、地元産の蕎麦と自ら足を運んで農家や生産者の方々の思い入れを聞いて仕入れるこだわり食材を使った「そばフレンチ会席」フルコースを振舞って頂けます。
また、どこに行っても感じることですが、同じ空気、同じ水で育った地元食材は相性が良く、自然の恵みに感謝したくなることが多いです。例えば、ワイン醸造などがもっと顕著にその個性を発揮するように、野菜・肉・魚なども日本国内でもそれぞれ特有の良さを引き出す料理人のセンスによってさらに磨き上げられているように感じます。もちろん、全ての宿泊者から満点の評価を得られるとは限りませんが、今回2日目に提供してくれたコース料理は全てがシェフ渾身の見事としか言いようのないものでした。