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高級食材の培養技術

2025年07月20日

世の中にはその稀少性から高級食材と呼ばれるものが、非常に高値で取引されています。日本ではうなぎや松茸などが良く知られていますが、世界に目を向ければ世界三大珍味とも呼ばれるキャビア、フォアグラ、トリュフ以外にも中華料理で使われるツバメの巣やふかひれ、アワビなども含まれることでしょう。同じように日本でもうに、からすみ、このわたが三大珍味と呼ばれており、いずれも共通するのは製造に手間がかかっていること、需要と供給がアンバランスであることなどで高値になると考えられています。いずれの食材も一度に大量に食べるものではなく、料理の中に隠し味程度に使われることも多いです。

キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにしたもので、養殖も難しく卵の粒の大きさによっても価格変動があります。しかし安いキャビアは塩辛かったり生臭さがあったりと好き嫌いがあることも事実です。つぎにフォアグラですが、ガチョウやアヒルに大量の餌を与えて太らせたの肝臓のことを指します。フランス料理には欠かせない食材のひとつで、最近は動物虐待だとも言われており良質のものは流通量が減少する傾向にあるようです。そしてトリュフは味よりも香りを楽しむ食材でソースやパスタなどとの相性が良いのですが、特徴的な鼻にくる香りに好き嫌いがあるようです。

そのように価格が高騰していくことと動物細胞培養技術が進化したことで、培養と呼ばれる人工食材が続々と誕生しています。しかしまだまだ課題も多くあります。それは生産コストが非常に高く世界初の培養肉ハンバーガーは2013年当時で3,500万円したと言われていることです。世界中の企業が高級食材にターゲットを絞って開発を進めるのも、まさにこの高コストの壁をブレイク・スルーするための重要な戦略です。今後は生成AI技術等を活用した商品開発も進められるでしょうから、気が付いたら培養フードを食べている世の中が近づいているのかも知れませんね。