オフィス鴻

ChatGPT(人事戦略)

2023年09月18日

これまでの日本型雇用では、現在40~50歳代で就職氷河期を経験した層でさえ、自律的に新分野に対する学習をしない中高年層の方が一定数いて、その傾向は欧米に比べて強いと言われています。また、多くの企業はこれまでの処遇や雇用に対する考え方を将来のあるべき形に向かって進化させるより、いかに合法的対応を行うかに苦心しているようにも見えます。実際にその対応を現在の中高年の方が中心になって進めていることを考えれば当然の帰結かも知れませんね。

さて、生成AIの浸透により、仕事に対する考え方、取り組み方が大きく変化しています。例えば一般事務系業務ではERP、DX、AI導入などにより、業務の減少は始まっています。また、生成AI(Chat GPT)を競合に先んじて活用できれば、企業競争力(業績、従業員、ビジネスモデル)のレベルアップも現実味を帯びています。その中でも、営業開発、商談クロージング、新規企画、改善業務などは、経験知・人間性・人格・人脈などの定性部分が大きく影響するため、目まぐるしく変化するビジネス環境や社会のニーズ(最先端の研究技術など)に対応しきれず、顧客ニーズに対応できないビジネスソフトウェア導入は大きな経営リスクとなります。そのことを企業経営者が敏感に感じ取っているとすれば、自ずと人事戦略(組織・採用・配置など)にも反映されてくることでしょう。

政府は、デジタル後進国と揶揄され少子高齢化が進む日本では、今後230万人のIT(DX)人材が不足すると試算しています。今後は高い専門性を必要とするIT系職種(柔軟な思考が不可欠)を中心に「学位よりスキルを重視」する採用が増え、学歴重視型採用中心の現行制度が、リスクリングを含むスキルアップ型へと大きく見直される可能性を示唆しているように思います。