オフィス鴻

採用担当者の必須能力

2023年12月14日

新卒者の採用が一段と難しくなった上に短期離職者の増加、生成AIの登場により世の中の動きや働き方が変わってきたことなどから、中途採用者の選考基準も変わり始めているように感じます。これまでは、同業種・同業界経験者(即戦力)やITスキル保持者への求人が多かったのですが、一部の職種・ポジションでは順応性・ビジョンへの共感などを重視する傾向に移りつつあるようです。当たり前の話ですが、転職サイトは成約案件に応じて企業から報酬を受け取るビジネスモデルですから、職務経歴書作成や模擬面接を行って成約率を高める取り組みも行っています。そのため、転職エージェントの質によって、採用担当者が採用希望部署とのミスマッチを見抜けずに、採用後に実際の現場では「使えない」人材が混じり込む可能性があることも事実です。そのような事態になって一番困るのは、配属先の担当者ですよね。

つぎに、一般論として仕事をするうえで重要視されるのは次の5つのスキルだと言われています。良好な対人関係からビジネスへ貢献する「効果的なコミュニケーション力」、高い対人関係構築により最大の効果を引き出す「チームワーク力」、複数の視点から客観的に物事を見ることで相手に共感を与える「影響力」、論理的でクリエイティブな思考を基にした「建設的な課題解決力」、そして企業経営を続けるための的確なアドバイスと行動ができる「リーダーシップ力」が相当します。

そのような視点から考えると、面接者、応募者双方に自分の考えを言語化できるスキルがないと、採用・入社後にミスマッチが起こる可能性が高くなるのではないでしょうか。「将来の姿が想像できない人材」に内定を出すことは、企業側が大きな損害を被るリスクがあると感じます。しかし、限られた面接時間や職務経歴書の中で面接官が一番知りたいのは仕事に対する熱意であり、応募者が知りたい(または知るべき)のは企業の本当の姿だと思います。採用活動が上手くいっていない企業は、人事部門のリスキリングや管理職を含む人事異動も視野に入れておくべきだと感じます。