子供時代の体験格差
2023年12月23日
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンの調査では、年収3百万円世帯と同6百万円世帯の小学生比較では、経済的理由により学校外での体験活動経験(習い事、スポーツ、家族旅行、各種施設、文化芸術イベントなど)のない生徒数は約2.6倍の差があるそうです。また、子供が家庭の経済事情が理解できると、自分のやりたいこと(例えば、スポーツ・学習塾など)を遠慮して言い出さずに家庭と学校以外の人間関係を築く機会や居場所が限定されるようです。これは成人にもあてはまり、子供の頃の体験値が少ないために会社と家庭以外でのコミュニケーションが難しい方も増えているようです。
また、中学入学以降は主に学校の部活動が体験活動にあたるため、進学等の学習関連費用が相対的に増える傾向がある一方、部活動が教員への過重負担となることを避け外部委託方式へと移行する自治体が増加していることも考慮すると、やはり家庭環境が子供の体験格差を生む主要因であるように思えます。また、子供自身があきらめに似た我慢が増えると、より「体験格差」が拡がる懸念も指摘されています。親の収入次第で経験値が変わる可能性は高いですが、子供の頃に体験機会が少なかった親からすれば当たり前の生活スタイルであり、体験格差という認識は持たないのかも知れませんね。編集人は、社会経験の一環(社会ルールの習得)として近場の恩賜公園(入園料は数百円)や温泉施設に連れて行ったり、職場や出張(新幹線で大阪・名古屋など)に積極的に連れて行きました。
心配なのは、生活必需品(特に食料品)を扱う個人商店の廃業、近所付き合いの希薄化(関わりたくないなど)、親のモンスター・ペアレント化、子供の悪戯を諫める大人が減ったことです。編集人が子供の頃は、友達の家の商売を手伝う機会も多くあり、身近にあった自営業者(肉屋・魚屋・八百屋・電機屋など)が、一種の社会経験の場になっていました。それでも、こども食堂などを運営する団体が増えたことは、日本人の特性(良さ)の1つだと思っています。