マイクロアグレッション
2023年12月29日
新型コロナが5類に変更されたことで、この約3年での様々な生活上での変化が起こりました。具体的には、リモート勤務の普及とオフィス通勤の再開、マスク着用推奨の同調圧力、主に大学教育の在り方や定員過剰問題、若い人を中心とした海外での出稼ぎ労働、地方(移住を含む)でのトラブル、デジタル利便性(生成AI、DX)の向上など、これまでの当たり前が簡単に他の方法に置き換わったり、予想だにしなかった問題にぶつかったりしています。
特に、IT技術と人間性の関わりの中で起こる課題として指摘されているものに「世代間格差」「情報格差」「労働賃金格差」などがあり、ある種の対立構造を生みがちです。例えば「世代間格差」では年金問題、社会保障費の増加など生活広範に及びます。「情報格差」ではスマホ所持の有無、街中のピストグラム普及、翻訳アプリの登場、Wi-Fi環境(海外と比べて脆弱)などがあたります。また、「労働賃金格差」では就職氷河期世代(正規・非正規)、50-80問題、老々介護、性別差賃金、年金・生活保護の併給などが挙げられます。いずれも、チェスター・ピアス氏(アメリカの精神学者が1970年代に提唱した「マイクロアグレッション(Microaggression)」と呼ばれる自覚なき差別行為により相手を傷つける行動(または見た目で判断すること)に繋がっているように感じます。
それ以外にも自分自身がトリガーとなる「インポスター症候群」と呼ばれる自己成長を肯定できない状態(不安、無気力感などは精神疾患ではないとされる)に陥ることや、地方移住で仲間づくりができない(価値観の違い、上から目線など)、目標のない逃避行動なども増加傾向にあるようです。世の中が便利になることは良いことですが、人間は1人だけでは生きていけないと考えるならば、今一度現在の自分自身を客観的に見つめ、他人への思いやりや周囲との協調について少し考える時間を作ってみては如何でしょうか。