オフィス鴻

Coffee Time (baguette)

2023年11月10日

日本経済新聞の記事に、フランスでは1年間100億本を超えて消費されるバゲットも、一時期は合成添加物が使用され食の工業化(大量生産)による品質低下が懸念されていたとの記事が掲載されていました。そこで、1993年から昔ながらのバゲットの伝統を守り広めるべく、毎年恒例のフランス・パリ市主催「パリ最優秀バゲットコンクール」が始められ、バゲットの公式定義はないとのことですが、小麦粉・酵母・塩・水、それと発酵材添加物以外は使用できないルールがあり、ティスティング審査では焼き加減・味・クラム(中身)、気孔の入り具合、見た目の5項目で評価される決まりだそうです。

優勝すると賞金4,000ユーロ(約60万円)と大統領官邸エリゼ宮とパリ市庁舎への1年間納品が認められますが、食生活の多様化によりパンの消費量は減少傾向にある中で「バゲットの技術と文化」が無形文化遺産に登録されたことについて、フランスのマクロン大統領は「フランスの技術・知識のエスプリが全て詰まった唯一無二の存在」と祝福したそうです。名誉と食文化の継承(日本では食品以外は皇室献上品限度額に含まない)と言う点で、非常に素晴らしい取り組みだと感じます。

日本で食されるバゲットではなかなか味わえない外皮のパリッと感とクラムのモチっと感の割合の違いが味わいの差を生むため、日本のうどんと同じくその日の気候に合わせた水分調整が難しいとのことです。また、一般的なバゲットに比べて2~3割高い「伝統のバケット」を求める消費者も多いそうです。編集人も、シャンパーニュ、バゲット、エシレのバターの組み合わせが大好きで、休日は妻と2人で楽しむこともあります。なんだか久しぶりにパリに行って、街中をバゲットを頬ばりながら散策してみたいと思いました。