国会議員の海外視察
2023年11月13日
自民党の女性局長を務める参議院議員がSNSに揚げたフランス研修時の1枚の写真(バックにエッフェル塔)に対して、世間の反応はさまざまでした。もちろん、視察スケジュール合間の短時間に物見雄山的な観光が行われても、そこから得られる市民生活、文化の違いなど視野を拡げて政治に反映してくれれば意味があるでしょう。ただし、海外視察費用には直接・間接含めて税金が使われており、党費を使用するにも政党助成金が税金で賄われている以上、不必要な経費使用がないように情報公開(工程表・領収書)して透明性を確保すること、視察成果報告の公開が求められて当然だと思います。また、コロナ禍後まもなくの視察ですから、国民への配慮に些か欠けた面は否めません。
特に自民党は世襲や知名度(タレント議員)などで国会議員に当選した方が他政党に比べて多く感じます。例えば少子化問題などについてしっかりと国民に成果を伝えたなら現岸田首相の長男(首相秘書官)の更迭と異なり、今回のような辞任騒動(辞職ではない)での幕引きには違和感があります。当然、現地事情に詳しいアテンド役を大使館関係者が行うことになりますが、一種の便宜供与と安全確保が混同されている中でSNS発信していたため、今回の問題が炎上という形で提起されたのだと思います。
首長選挙の投票率が30%台になったり、定数に達せずに無投票当選となる地方議員もいる中で、国会議員の選挙制度は、自民党が野党に転落したときの細川政権(1年経たずに瓦解しました)が公職選挙法を小選挙区比例代表並立制に改定して、お金のかからない選挙のあり方を目指しましたが、その後も相変わらず贈収賄等で辞職した議員も多く、また議員歳費・その他費用の使途管理も名称が変わっただけのように感じます。本当に必要ならば、抜け道のたくさんある議員の資産公開より毎年1月から招集される通常国会(会期150日)後に選挙公報での約束と実施状況の進捗比較をルール化したら、国民のために本当に仕事をする議員が報われるように感じます。