オフィス鴻

隠語を使う理由

2023年11月07日

航空業界で働くCAさんの隠語は数多く存在するそうです。飛行機に乗るのが好きな方ならば知っておられると思います。ここでは、具体的な航空業界での隠語の説明は少し横に置いて、なぜ飲食業界で隠語を必要とするのかにフォーカスして、あくまでも編集人の考え方を述べたいと思います。

一番身近な例としては、地域やチェーン展開する飲食店などの料理オーダーが挙げられます。簡単に言えば、オーダー(注文)を素早く正しく厨房に伝えることやミスを防ぐことが目的であり、最近はタブレットによる注文方式を採用する店舗も増えました。ただし、そこには人間同士の意思疎通とは関係のない効率化を求めるあまり、店舗側の従業員(経営者)とのコミュニケ―ションが極端に少なくなり、高齢世代を中心に常連客が店から徐々に遠ざかるリスクも多いようです。一方、町中華や料理店、小料理店・居酒屋などは、お店の人との阿吽の会話などを楽しみに来店している方も多く、また地域のコミュニケーションの場として機能していることもあります。

また、お店側の事情や置かれている状況を理解できれば、無理に隠語や略語をつかわずともお店との間でかなりの意思疎通ができます。1つは厨房と接客担当、お客さまとの間で意思の齟齬がおこらないようにすること、2つ目は混雑時にお客様をできるだけお待たせしないようにすることが大切だと感じます。もう一つは、お店側が望まないトラブルメーカーが来店したときの対応共有にあります。隠語を知り使うことで、その方の自己満足・肯定感などをなんんとなく感じる場面に出くわすこともありますが、隠語はあくまでもお店側が使うものであり、あまり気分の良いものではないと感じます。特にあるレベル以上のサービスを提供する飲食店(大抵の場合ドレスコードがあります)では、自分の希望(例えば予算や食材・飲み物の好みなど)を背伸びせずに自分の言葉でスタッフにお伝えすれば理解して頂けますから、楽しい時間が過ごせるように思います。