オフィス鴻

助成金の不正受給

2023年11月17日

これまで、コロナ禍関連助成金について、本コラムでも適宜触れてきました。おおまかには、ゼロゼロ融資、事業持続化給付金、雇用調整助成金などがありますが、いずれも緊急避難的要素が強く、最近になって全国規模で不正受給摘発が行われています。その中でも、とある九州の観光・宿泊施設では「旅割電子クーポン事業」を推進する事務局から、不正に大量のQRコードのついたチラシ作成により、行政が数千万円単位の被害を被ったとして詐欺および電子計算機使用詐欺の疑いで刑事告発に踏み切ったそうです。この事案に関係した4件の宿泊施設では事実関係を認め既に返金に応じた一方で、業者任せで知らなかったという事業者や、2市事業者は弁済について話し合っていた最中(結局不正で得た助成金は他の用途に使用され、残っていないのでしょう)の刑事告発で驚いていると弁明した事業者もいるようです。

このような事案では、通常の事件報道では事業者名が公表されることが殆どですが、行政側にも非があったためなのか、事業者名は出てきませんでした。今後も、全国各地で助成金の不正受給発覚に関する報道があると思われますが、コロナ分科会の前尾身会長の「100年に1度の非常事態だった」という談話を信じる限りでは、正直なところ多額の税金がこのような不適切な事業者にも緩い審査と業務多忙によりバラマキ的に給付、または業務委託されるリスクも織り込んで、当時の政府・行政が混乱収束に臨んでいたように思われます。

もちろん、不正をしていなかった業者が多くを占めていると思いますが、これから新たな日常に戻るにあたり、まだまだ関連支出が増えてくると考えています。例えば、対面による接客に使用されたビニール製のカーテン、仕切りのアクリル板などが大量の産業廃棄物として排出され始めていますが、不法投棄する人や事業者もでてくることでしょう。また、コロナ変異株の流行が当該株ワクチン製造・接種より早く、また副反応のリスクから接種者が予定数を大きく割り込んでいるようで、これから多くのワクチン(数千億円規模)が廃棄処分となるようです。