マイナ保険証と医療費抑制
2024年02月04日
先日、毎月1回予防歯科のため30年来診療をお願いしている歯科医院に行ってきました。受付の隣に新しくカードリーダーが設置されていたので、受付の方にメリットを聞いたところ、来院の都度(原則1ヶ月に1回)保険証を提示する必要が無く、また薬剤情報なども共有できるというので、「オンライン資格確認システム」で初めてマイナンバー保険証の登録をしてみました。使い方は非常に簡単で、読み取り機にマイナンバーカードを置き、いくつかの質問と顔認証するだけで1分ほどで登録は完了しました。ただ、他人の情報が登録されたりするトラブルが報じられており、拙速かつ準備不足であった面は否めません。
編集人は、日本全体での生産性向上を図るには、業務改革でのIT化推進は不可欠だと考えており、その前提としてシステムの安全性が担保されることが条件だと考えています。もちろんシステムトラブルがあっては困るのですが、オンラインでの診療報酬請求方式のため、完全移行後は紙レセプトではいずれ医療機関が保険請求できなくなることでしょう。また、パソコンやWi‐Fi環境も必要だそうですから、医療機関側の反対意見も理解できる部分はありますが、今後破綻寸前にある医療制度におけるDX化が進められ医療費抑制を図ることは当然の成り行きであり、遅かれ早かれ全医療機関での導入が義務付けられるのだと思います。
その他、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβを除去する新薬「レカネマブ」が日本でも保険治療対象となりましたが、投薬適用可否の診断に必要なルンバ―ル(脳脊髄液検査)等は保険適用外だそうで、他の新薬と同様に高額な薬価と副作用、効果検証などが懸念材料としてあるそうです。ゲノム系医療技術の進歩には目を見張るものがありますが、まずは健康寿命を延ばす予防医療分野の充実が優先されるように感じます。