ワイン産地と日本酒
2023年12月02日
ワインの産地として有名なのは、フランス・イタリア・スペイン・アメリカ・オーストラリアなどですが、醸造技術の進化により南米地域や日本などでも良質のワインが作られています。日本では1980年代後半のバブル景気時にボージョレ・ヌーヴォ(フランス南部ブルゴーニュ地方のボージョレ地区でガメイ種から作られた新酒)の大ブームが到来したあたりからワインの認知度が高まり、2000年頃から輸入量・消費量が増加しているそうです。また、ここ数年は主に中国での消費量増加や値上がりを見込んだ投機目的購入が増え、最近では国産ウイスキーが世界中で人気となり、醸造設備等と需要供給の関係で原酒が不足しており商品不足による出荷制限や価格上昇が起きています。
ウイスキーは醸造過程で蒸留するため品質のばらつきは比較的少ないのですが、ワインは当たり年(ビンテージ物)と不作年のものでは価格の開きが非常に大きくなります。また、最近の温暖化により、ブドウの産地でも品種によってはプラスの影響(完熟)がある一方で、アルコール度数のバランスが変化したり、害虫対策など新たな課題もあるようです。以前は100年を越える古木からとれたブドウや、ある特定の条件(気温、土壌、斜面の向きなど)で育てられたブドウで醸造されたワインが高値で取引されていましたが、伝統的な高級ワインの産地(緯度30~50度)でも新たな土着品種ブドウを使用したワイン作りや、生産可能エリアの北限上昇に伴い新興産地ならではの新たな試みや研究開発が進められているそうで、新しいジャンルのワインが飲める日がくる楽しみが増えました。
また、以前は肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワインが定番だと言われていましたが、ワインのラインナップが増えてきたことで肉料理にも魚料理にも合うワインを飲食店でも見かけるようになりました。また、日本酒とワインのペアリングや、ジャンルは違いますが日本酒でも使われる酒米や麹の種類が増えていて、かつどのような料理にも比較的合わせやすいことから、ワインの本場であるフランスではある種の日本酒ブームが起きているそうです。