オフィス鴻

中間流通機能の重要性

2023年06月04日

1980年代には問屋不要論、商物分離、PB(プライベートブランド)、コンビニ・ドラックストアの躍進など、大きな商慣習の変化が起こりました。品揃えの豊富さや大量仕入れによる価格差で勝るGMS(大手スーパーマーケット)、セブン&アイ系、イオン系、八社会(鉄道系スーパー連合)などが続々と台頭して、多くの消費者がその利便性と低価格を享受し始め、街中の商店街などの淘汰(シャッター商店街化)が始まった時期でもありました。

編集人は約15年程、コモデティ系の商社兼メーカーに勤務していましたが、最終的にメーカーと小売業者(リテーラー)間で直接的価格交渉が行われるケースも多く、卸売業(問屋)は売れ残り在庫、返品処理、異常な納品率(99.999%)などを求められました。中には独禁法に抵触する PB(プライベート・ブランド)の返品在庫買い取りまで強制する某有名ドラックチェーンまで存在していた時代です。現在では公正取引委員会による下請法適用(コンプライアンスの1つ)などにより、以前に比べ法律違反の行為は減少してきているようですが、ワンストップショッピングや宅配が重宝される一方で、鉄道系百貨店などは不動産業的なビジネススタイルへの大転換へと舵を切るようになりました。

一方で、最近の中間流通機能の重要性を改めて考えると、ECの台頭やIT技術の進歩、生活スタイルの変化により以前とは比較にならないような全く違う光景が見えてきます。また、編集人の考える最も重要な中間流通機能とは、誰が、どの機能を担い、消費者に喜ばれる商品を供給するのか、そして各関係者が提供するサービスに対して適正な利益(マージン)を得られることだと考えています。最後に「交通事故ゼロ編」にも関連しますが、地方に行けば買い物難民化した高齢者による重大な交通事故が増えていることもご承知の通りです。