オフィス鴻

キュレーション

2024年05月03日

キュレーションとは、キュレーター(学芸員)が情報の収集と分類を行い、他の人と共有することと訳されます。インターネット上の膨大な情報の中から本当に必要な情報を見つけるのはAIでも可能ですが、インターネット技術向上と普及は、価値のある情報を得るための有益な情報源検索の役割を果たしています。一方で、キュレーションサイトでは必要な情報を効率的に収集・分類・整理でき、ChatGPTとの相性は良いのかと思います。ただし、収集・分類作業においては効率性に優れている反面、情報の正確性・信憑性に対する判断はあくまで自己責任の範疇ですから、普段から質の良い情報のインプットと脳内での情報加工処理を繰り返すように心がけていなければ、有益なアウトプットを導けないため誤った結論を導き出すリスクがあることも心しておくべきでしょう。

スマホなどで容易に情報検索ができる利便性は優れた技術だと思いますが、ノイズによる誤謬やフェイク(偽)ニュースのように検索エンジンを悪用する事例も増加傾向にありますので、ますます利用者側の資質が問われています。また、情報過多の中では検索時間(スピード)が貴重な経営資源となるためキュレーションが時間効率の良い情報アクセスと視点の拡がりを実現してくれる一方、専門的知識・トレンドなどでは、発信できる情報量に限りがあることから情報発信者の偏った主観が入り込む可能性は否定できません。つまり、情報の信頼性が万全でないことを前提として使用する必要があるということです。

編集人も、部下の作成した資料についてデータ元やニュースソースを尋ねると「Yahooニュースです」と言われることがあり、出典元の情報を確認していないことが多くありました。つまりキュレーションの利便性が良くなったことで、例えば日本経済新聞(全てが正確で客観的であるとは限りません)に掲載されている他業界の動向や政治・文化などが検索エンジンからはじき出されてしまえば、多くの知識の蓄積に基づかない内容のうすっぺらい報告や企画書となることが多いと感じます。